不妊症の原因について

■ 不妊症とは

 不妊症とは正常な夫婦生活があって、2年以内に妊娠しない場合をいいます。これは、 通常、夫婦の90%以上が2年以内に妊娠するという事実に基づいています。過去に妊 娠の経験がないものを原発性不妊、妊娠したことはあるがその後2年以上妊娠しない場 合を続発性不妊と言います。

■ 不妊症の原因

 女性側の原因は約50%
 男性側が約30%
 その他の原因不明が約20%
 といわれています。

@男性が原因のケース

  男性の不妊症の原因のほとんどが精子の数が少ないか、または元気がない場合です。まれに無精子症があります。


A女性が原因のケース

  
 女性の不妊症の原因のほとんどの場合は、子宮内の血液の循環が悪く血液がスムーズに流れておりません。ホルモンの分泌が悪く、大きくて立派な卵子が成長しないことが多いようです。又、黄体の機能が悪いため子宮内膜の状態が悪くせっかくの受精卵が子宮内膜に着床しにくくなっています。

 女性が原因のケースは以下のようなものが考えられます。

排卵因子

排卵に導くホルモンの分泌が不調。多嚢胞性(PCO):卵巣で卵胞がうまく発育しない。若い女性に最近多い。LUF:卵胞の破裂が起こらない。

卵管因子

卵管が閉塞している場合もあるが、卵子が取り込まれない。受精、分割の環境が不良などの機能不全も含まれる。

着床因子

子宮内膜の不良。(子宮内膜が薄い、パターンの不良。)黄体機能不全子宮筋腫、内膜ポリープ、子宮腺筋症。

頚管因子

精子が子宮管内に入らない。頚管粘液の不良。ヒューナーテスト不良。抗精子抗体(免疫的に精子を殺す抗体)陽性。

子宮内膜症

子宮内膜組織が子宮内宮以外にできる。不妊症、月経痛、性交痛の主な原因と見られ、不妊女性に高い確立で認められるが、子宮内膜症でも妊娠することがあるので、本当に不妊の「原因」なのかどうかはまだはっきりとわかっておらず、不妊が続く結果、子宮内膜症になるのではないかと考える人もいる。

年齢因子

卵子、子宮の老化。30歳を超えると年に数%ずつ機能が下がり、35歳以上になると急に下がる。特に卵子の老化が注目される。

原因不明

不妊原因が特定できない。



妊娠しやすい体作りためのQ&A

Q.妊娠しやすい食べ物ってありますか?
A.妊娠しやすくするためには、偏食をなくして、栄養バランスの良い食事を摂ることです。血液中のコレステロールや中性脂肪を低下させる作用があるEPAを多く含むサンマやイワシ、サバなどと、ビタミンEを多く含む玄米や小麦の胚芽、植物油、うなぎなどを摂ると血行がよくなり、妊娠しやすくなります。

Q.冷え性は不妊症と密接に関係するの?
A.不妊症の方に冷え症がとても多い。冷え性とは抹消循環不全で血の巡りが悪くなる症状のことで、生理不順なりやすく、卵巣の発育も悪くなります。

Q.妊娠と年齢は関係ありますか?
A.年齢が高くなるにつれて、受精卵の数が減少し、卵子の質が低下したり、受精卵に染色体異常が増えたりします。そのため、年齢によって妊娠する可能性が低下し、流産頻度が上昇します。男性にも年齢的要因はありますが、女性ほどではありません。体外受精の妊娠率も年齢に高くなるにつれて低くなっていきます。

Q.食べ物や生活習慣で妊娠しにくくするものはありますか。
A.ダイオキシン、PCB、ビスフェノール、スズなどの環境ホルモンは、生殖器官をも汚染すると言われています。卵子や精子に直接、悪影響を及ぼすことがあり、能力を低下するばかりでなく、胎児の形態異常につながる可能性があります。
食品添加物、大気汚染物質、また、タバコの煙の中にはダイオキシンをはじめとする発がん物質が含まれています。

Q.太りすぎや痩せすぎは不妊と関係ありますか?
A.肥満で皮下脂肪が増えると排卵異常になりやすい。また、せっかく妊娠しても妊娠中毒にもなりやすく、難産になる可能性もあります。痩せすぎは皮下脂肪が少なく、女性ホルモンが作られにくくなります。男性の場合も食生活に偏りがあると不妊になりやすい。

Q.極端なダイエットは不妊症になりやすいですか?
A.極端なダイエットは体重減少性無月経になることもあり、ダイエット期間が長期に渡るほど妊娠治療が困難になります。

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